JSOW

ＪＳＯＷジェイソウと読む Joint Stand-Off Weaponの頭文字を取った略語。日本語に訳せば統合スタンドオフ兵器。

解説：　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　総合索引

　対空ミサイル等の射程外から、投下可能な滑空式誘導爆弾。
　投下後は、レーザー誘導爆弾のように母機から誘導する必要はなく、ＩＮＳ(慣性航法装置)・ＧＰＳ(全地球測位システム)により自律して指定された目標を攻撃する。目標を肉眼で確認できない悪天候下でも、目標の位置情報だけで攻撃可能だ。Copyright (c)Weapons School　 All rights reserved.
　Joint Stand-Off Weaponの、Joint は米空軍および海軍・海兵隊で使用されることを示し、Stand-Offは、目標から離れた場所から、投下できることを意味する。２５００発以上生産され、イラクやコソボ紛争でも使用された。

　ＪＳＯＷは、１９９２年開発に着手し、ＪＳＯＷ-Ａは１９９９年全規模量産を開始した。Ｆ-１５、Ｆ-１６、Ｆ/Ａ-１８、Ｂ-１、Ｂ-２、Ｂ-５２などに搭載可能である。

　米軍の制式名称はＡＧＭ－１５４。ＡＧＭとはＡｉｒＧｕｉｄｅｄＭｉｓｓｉｌｅの頭文字で、ＪＳＯＷは誘導ミサイルに分類されている。しかし、推進装置は搭載しておらず、投下後展開される翼により、揚力を得てグライダーの様に滑空する。射程は投下高度により変化し、高度１５０ｍからの投下で２２ｋｍ、高度１万２千ｍの場合、１３０ｋｍとなる。対空砲や地対空ミサイルの射程外から、投下できるため母機の生存性も向上する。Copyright (c)2002-2009 Weapons School　 All rights reserved.　

　弾体はモジュール構造で、大きく三つに区分される。前部はＩＮＳ・ＧＰＳなどを収容する誘導部分。中央部はペイロード・ベイと呼ばれる弾頭部分となっており、様々な種類の弾頭を搭載可能だ。この上面には投下後、展開される翼が取り付けられる。後部は飛行制御部分となっており、外部に６枚の操舵・安定翼を装着する。また、弾体は、レーダー反射面積を低く抑える形状となっており、レーダーから捕捉され難い。

　ＪＳＯＷは投下前、搭載する航空機から、現在位置および、目標の緯度・経度・高度等の情報を受け取る。投下後は、母機からの誘導を必要とせず、ＩＮＳを主体とし、時間経過と共に増大する誤差を、ＧＰＳにより補正しながら目標に向かう。半数必中界(ＣＥＰ)は１０ｍ以内とされる。
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　ＪＳＯＷは当初、以下の３タイプが計画されていた。

名　称	ＡＧＭ-１５４ＡＪＳＯＷＡ	ＡＧＭ-１５４ＢＪＳＯＷＢ	ＡＧＭ-１５４ＣＪＳＯＷＣ
弾　頭	ＢＬＵ－９７/Ｂ＊１４５個複合効果子弾	ＢＬＵ－１０８/Ｂ＊６個センサー信管付子弾	ＢＲＯＡＣＨ二段式貫通弾頭
用　途	軽装甲車輌・人員・補給物資集積場・レーダーなど広範囲に分散した目標攻撃用	機甲部隊攻撃用赤外線センサーを持ち、上空から装甲車輌の捜索・攻撃を行うopyright (c)2002-2009 Weapons School　 All rights reserved.	航空機用強化シェルター、指揮・通信バンカー攻撃用空中炸裂モードで地対空ミサイル陣地等にも対応終末誘導に非冷却式長波長画像赤外線シーカーと自律目標捕捉機能を使用
備　考	生産終了	生産中止	米海軍用に全規模量産中