Mk80 LDGB(Low-Drag General-purpose Bomb) 低抵抗汎用爆弾 Mkはマークと読む


解説                            総合索引

 米国を始め、英・仏など世界各国で使用されている、最も一般的な自由落下式汎用爆弾。形状は航空機搭載時の空気抵抗を減らすためスマートな流線型をしている。弾体は鋳造の鋼鉄製で中空構造となっており、トリトナールPBXN−109などの炸薬が充填されている。投下後、所定の時間・高度・衝撃等の条件を満たすと先端または尾部に装着された信管により起爆され、鋼鉄の破片と爆風を放出して目標及び周辺部に被害を与える。
Copyright
(c)2002 Weapons School  All rights reserved.
 自由落下爆弾は、一旦、投下されれば、投下時に与えられた速度、高度、方向、風などにより弾着地点がばらつく。レーザーや電子光学装置で誘導される、「スマート(賢い)爆弾」に対して、「ダム(馬鹿)爆弾」と呼ばれる。
 しかし、このMk80シリーズの真価は、モジュール構造にある。頭部はボルト式でレーザー・光学誘導装置を取り付ければ、スマート爆弾に変身する。信管を変更すれば、機雷・地雷にもなる。尾部もボルト式で通常使用される4枚の安定翼だけでなく、GPS(全地球測位システム)/INS(慣性航法装置)誘導装置内蔵の動翼や、投下後、母機の退避時間を稼ぐバリュート(空気抵抗により膨張する袋)等を装着できる。正に「汎用」と呼ぶに、ふさわしい万能選手だ。その上、大量生産により価格が安い。

 Mk80シリーズには、重量別に250・500・1000・2000ポンドの4種類があり、それぞれMk81・82・83・84と呼ばれる。なお、米海軍は、火災による爆弾誘爆の危険性を少しでも減らすため、表面に断熱コーティングをしたり、充てんされる炸薬を従来のトリトナールから、発火点の高いPBXN−109に変更している。このタイプのMk82・83をBLU−110・111/Bと呼ぶ。


性能・諸元

名   称 Mk81 Mk82 Mk83 Mk84
タ イ プ 250ポンド
爆弾
500ポンド
爆弾
1000ポンド
爆弾
2000ポンド
爆弾
全  長(m) 1.9 2.2 3.0 3.8
弾体直径(m) 0.23 0.27 0.35 0.46
総重量(kg) 118 241 447 894
炸薬量(kg) 45 87 202 429
備  考 海軍/海兵隊用に、炸薬をPBXN−109に変更したものBLU−111/Bと呼ぶ 海軍/海兵隊用に、炸薬をPBXN−109に変更したものをBLU−110/Bと呼ぶ

 


参考文献

U・S・ウエポン・ハンドブック 宮本勲編著 原書房
図解エアパワー最前線上・下 原書房 著者:アンソニー・ソーンボロ 監訳者:松崎豊一
トム・クランシーの戦闘航空団解剖著者:トム・クランシー 訳:平賀秀明 新潮社
雑誌 軍事研究 (株)ジャパン・ミリタリー・レビュー
Jane's Air-Lunched Weapons Jane's Information Groups
U.S. Air Force Fact Sheet

Aerospaceトップページへ

Top     Land      Sea     Others

 Copyright (c)2002 Weapons School  All rights reserved.