BLU−97/B 複合(対装甲・破片・焼夷)効果を持つ子弾の名称
解説 総合索引
装甲車輌、トラック、航空機、補給物資等の破壊・炎上、人員の殺傷など様々な目標に対して有効な小型爆弾。クラスター(集束)爆弾やJSOW、トマホーク巡航ミサイルの子弾として、多数搭載される。上空で散布されると、広範囲に分散した目標に被害を与える。
制式名称はBLU-97/B CEB(Combined Effects Bomblets複合効果子弾)と呼び、米空軍・海兵隊などで使用される。湾岸戦争やコソボ紛争、アフガニスタンでの対テロ報復戦争にも使用された。
Copyright
(c)2002
Weapons
School All rights reserved.
BLU-97/Bは円筒形で長さ16.9cm
直径6.4cm、500mlのビール缶程の大きさだ。
構造は先端部分にスタンドオフ・チューブがありスプリングを内蔵する。クラスター爆弾などから放出されるとスプリングの力で伸び、後方の成形炸薬に適切な距離を保つ。成形炸薬は刻み目を入れた鋼鉄製外筒に混合爆薬Cyclotol(RDX70%TNT30%)287gを内蔵する。成形炸薬の後ろは、空気中で自然発火するジルコニウムと信管がある。この後方はバリュートと呼ばれる、小型の制動傘が取り付けられる。後端にはスパイダーと呼ばれる小さな板状の抵抗版がある。
クラスター爆弾などから放出されるとスパイダーの空気抵抗でバリュートが引き出され、子弾を減速、姿勢を安定させる。同時に先端部分のスプリング力でスタンドオフ・チューブが伸びる。この時点で信管の安全装置は解除される。
子弾は降下して、車輌や地面、構造物に当たると、信管が作動、成形炸薬を起爆する。成形炸薬は爆発すると、超高速のメタル・ジェット流を放出して125mmの装甲板を貫通する。鋼鉄製外筒も、およそ300個の破片として周囲に飛散、軽装甲車輌は15m、航空機なら75mまでの範囲に被害を及ぼし、150m以内の人員を殺傷する。さらに、ジルコニウムも飛散り、自然発火して燃料や弾薬などに引火する。
しかし、不発弾が10%程度発生するため、味方地上部隊、進撃の妨げとなったり、非戦闘員にも被害を与え得る。コソボやアフガニスタンでも、不発弾処理が課題となっている。
性能・諸元
弾体全長:16.9cm(収納状態)
弾体外径:6.4cm
弾体重量:1.5kg
炸薬重量:0.287kg(Cyclotol)
貫通力:最大125mm
参考文献
火薬学概論 中原正二 産業図書株式会社
トム・クランシーの戦闘航空団解剖著者:トム・クランシー 訳:平賀秀明 新潮社
U・S・ウエポン・ハンドブック 宮本勲編著 原書房
B-1 LANCER The Most Complicated Warplane Ever
Developed Dennis R.Jenkins McGraw-Hill
Federation of American Scientistsホームページ
Jane's Air-Lunched Weapons Jane's Information Groups
U.S Navy Fact File
Aerospaceトップページへ
Top Land
Sea Others
Copyright (c)2002 Weapons School All rights reserved. |