ＢＲＯＡＣＨ ブローチと読む。Ｂｏｍｂ Ｒｏｙａｌ Ｏｒｄｎａｎｃｅ Augmented ＣＨａｒｇｅを組み合わせた造語。英語のbroach、穴開け用工作機械、ブローチ盤の名称を意識して命名されたと思われる。

解説　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　総合索引

　英国、ロイヤル・オードナンス社(ＢＡＥシステムｽﾞ傘下)が開発した、誘導爆弾および空対地ミサイル用二段式貫通弾頭。航空機用鉄筋コンクリート・シェルター、地下指揮・通信バンカーの破壊を、主な目的とする。
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　ＢＲＯＡＣＨの構造は、前部に重量１００ｋｇの成形炸薬、後部には硬化目標用スマート信管を取り付けた重量１４５ｋｇの爆風・破片弾頭を内蔵する(ＪＳＯＷ搭載型)。
      
　目標に着弾すると、前部に取り付けられた成形炸薬の爆発により、厚さ１．５ｍの鉄筋コンクリートを貫通する。この穴に、スマート信管を取り付けた爆風・破片弾頭が突入し爆発、目標を内部から破壊する。

　ＢＲＯＡＣＨは、運動エネルギーを利用するＢＬＵ−１０９/Ｂなどの貫徹爆弾とは異なり、成形炸薬の高速金属ジェット流により鉄筋コンクリートに穴を開けるため、高々度から投下する必要はなく、低高度からも投下できる。また、弾着角度が垂直でなくても、鉄筋コンクリートを貫通できるため、運用上の柔軟性も増す。Copyright (c)2002-2009 Weapons School　 All rights reserved.
　ＢＬＵ−１０９/Ｂでは、貫通力を増大させるため、弾体は肉厚となり、炸薬量が減少する。しかし、ＢＲＯＡＣＨは、貫通力を成形炸薬により得ているので、弾体を肉厚にする必要がない。ほぼ同一重量のＢＬＵ−１０９/Ｂに比べて炸薬重量は多く、空中炸裂モードで使用すると、爆風・破片を広範囲に放出するため、バンカーや航空機用シェルターだけでなく、地対空ミサイル発射機など、様々な目標に対応できる。

　ＢＲＯＡＣＨは、英国のストーム・シャドウ空対地ミサイルをはじめ、米国のＪＳＯＷ(統合スタンド・オフ兵器)、ＣＡＬＣＭ(通常弾頭型空中発射巡航ミサイル)などの弾頭としても採用されている。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２００９年１１月　２日改訂

参考文献

火器弾薬技術ハンドブック(改訂版)　弾道学研究会編　財団法人　防衛技術協会　刊
Ｆ-２有効利用と精密誘導兵器　石川潤一　雑誌　軍事研究２００８年４月号(株)ジャパン・ミリタリー・レビュー社
BAE SYSTEMS社ホームページ
BROACH US Market Dick Wools Director,BROACH Programs BAE SYSTEMS
Director,Operational Test and Evaluation FY2003 Annual Report  Office of Director, Operational Test and Evaluation (DOT&E)
Jane's Air-Lunched Weapons Issue Forty-nine Jane's Information Groups
NAVAL AVIATION STRIKE WEAPONS New Frontiers in Warfighting Presented to:Air Armament Symposium RADM T.Heely Program Executive Officer Strike Weapons and Unmanned Aviation
Raython社ホームページ
THE NAVAL INSTITUTE GUIDE TO WORLD NAVAL WEAPON SYSTEMS FIFTH EDITION NORMAN FRIEDMAN NAVAL INSTITUTE PRSS
UNMANNED AVIATION AND STRIKE WEAPONS PRESENTATION TO:Air Armament Symposium CAPT Mat Winter Program manager,Precision Strike Weapons 10 October 2007 U.S Navy
U.S. Navy Fact File


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