BLU−109/B 貫通爆弾


解説                   総合索引
 地下指揮施設や、航空機用鉄筋コンクリート・シェルターなど、頑丈な構造の目標を破壊する貫通爆弾用弾頭。レーザー・電子光学誘導爆弾や空対地ミサイルの弾頭として使用される。Copyright
(c)2002 Weapons School  All rights reserved.
 貫通爆弾の役割は、汎用爆弾では、効果の薄い、鉄筋コンクリート製シェルターや地下指揮施設などを破壊することにある。鉄筋コンクリート構造物を貫通するため、弾体形状は汎用爆弾が流線形であるのに対して、BLU−109/Bの弾体中央部は円筒形で、貫通に適した形をしている。

 
弾体も頑丈に作られており、ほぼ同じ重量であるMk84弾体の、およそ2倍の厚さ2.5cmのニッケルクロムモリブデン鋼(SAE4340)を使用している。このため内蔵炸薬はトリトナール(またはPBXN−109)240kgとMk84の428kgのおよそ半分しかない。しかし、頑丈で重量のある弾体により、1.8〜2.4mの鉄筋コンクリートを貫通できる。

 
信管は後部にFMU−143信管が装着され、爆弾が目標の表面ではなく、内部に突入してから爆発するように弾着の100分の6秒後に炸薬を起爆させる。 湾岸戦争終了後、Gセンサーを内蔵、貫通した部屋の数をカウントできるHTSF(Hard Target Smart Fuze:硬化目標用スマート信管)も開発された。

 最大の貫通効果を発揮するには、弾体の運動エネルギーを増加させるため、高高度からの投下もしくは、低空飛行の場合には投下時に機体を急上昇させて、トス爆撃を行う必要がある。

 BLU−109/BはGBU-10・24・27などのレーザー誘導爆弾JDAM等の弾頭としても使用される。また、
BLU−109/Bの改良型で2倍以上の貫通能力を持つ、AUP(Advaned Unitary Penetrator:制式名称BLU−116/B)も開発された。



                       2009年11月24日改訂


性能・諸元

弾体全長:2.4m
弾体直径:0.37m
弾体重量:874kg
炸薬重量:240kg
メーカー:ロッキード・マーチン
貫通力:1.8−2.4m(鉄筋コンクリート)


参考文献

火器弾薬技術ハンドブック(改訂版) 弾道学研究会編 財団法人 防衛技術協会 刊
トム・クランシーの戦闘航空団解剖著者:トム・クランシー 訳:平賀秀明 新潮社
雑誌 軍事研究 (株)ジャパン・ミリタリー・レビュー
U・S・ウエポン・ハンドブック 宮本勲編著 原書房
Jane's Air-Lunched Weapons Jane's Information Groups
LOCKHEED MARTINホームページ

Aerospaceトップページへ

Top     Land      Sea     Others

 Copyright (c)2002-2004 Weapons School  All rights reserved.