ＡＭＳＴＥ　Affordable Moving Surface Target Engagement の頭文字を取った造語。  直訳すれば入手可能 陸上(海上)移動目標 交戦　

解説　　　　　　　　　　　　　　　  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　総合索引

　陸上・海上の移動目標を、ＪＤＡＭなどの比較的安価なＧＰＳ精密誘導兵器で、攻撃可能とするネットワークを利用した技術。
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　航空機による、戦車など移動目標のピンポイント攻撃には、マーベリック空対地ミサイルもしくはレーザー誘導爆弾などを使用する。マーベリック・ミサイル、１発当たりのコストは約２千万円、これに対してＡＭＳＴＥを利用する改造型ＪＤＡＭは１発、４百万円以下と、マーベリックミサイルの５分の１コストで調達可能である。　我々、庶民の感覚からすれば、高い買い物ではあるが、移動目標攻撃可能な精密誘導兵器の価格としては、「お手頃価格」と言えることから、Affordable(アフォーダブル)の名称が付けられている。
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　なお、レーザー誘導爆弾ペイヴウェイIIを使用する場合、コストは約３百万円と安価であるが、敵防空網の射程内から、投下およびレーザー照射を行わなければならず、航空機の生存性は低下する。



　移動目標を攻撃するには、可視光、赤外線、レーザー、電磁波などを使用した高価な探知機(シーカー)必要とするため、精密誘導兵器の価格は、高価にならざるを得ない。しかも、この探知機は使い捨てである。

　ＡＭＳＴＥは、目標の探知、識別、精密追跡、効果判定には、Ｊｏｉｎｔ ＳＴＡＲＳ(統合監視目標攻撃レーダー・システム)、グローバール・ホーク無人偵察機などの、航空機搭載型ＧＭＴＩ(地上移動目標指示装置)レーダーを、外部センサーとして利用する。Copyright (c)2007 Weapons School All rights reserved.
　ＧＰＳ精密誘導兵器には、目標情報を受信するためのデータ・リンクを追加し、投下(発射)後も継続的に目標情報を受信することで、高価な探知機を搭載することなく、比較的安価に移動目標攻撃能力を獲得できる。ＡＭＳＴＥは、ＪＤＡＭだけでなく、ＪＡＳＳＭ、ＪＳＯＷ、ＳＤＢ、タクティカル・トマホーク等への適用も可能である。

　投下試験では、高度約６０００ｍを飛行中の、Ｆ−１６から投下されたＡＭＳＴＥ対応のＪＤＡＭが、Ｊｏｉｎｔ ＳＴＡＲＳからの目標データを利用して、時速３７ｋｍで走行中のトラックの３ｍ以内に着弾しており、高い命中精度を実証した。

　ＡＭＳＴＥの利点は、安価なだけでなく、センサーおよび精密誘導兵器を搭載する航空機は、敵防空網の射程外から移動目標を監視、追跡、攻撃可能である。また、電波を使用しているため天候に影響され難い。
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　しかし、移動目標の識別、および精密な位置情報を得るためには、レーダー技術だけでなく、取得した目標情報から、誤差を取り除き、将来の移動方向、位置を予測するのは勿論、味方の位置情報、地形、道路網などの様々な情報の統合が必要で、高度な情報収集・処理能力を必要とする。

　ＡＭＳＴＥの、最も大きな課題は、敵・味方戦闘車両および、一般車両の混在する都市部などの作戦状況において、攻撃目標を正確に識別、精密追跡できるかと言う点にある。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２００７年６月２４日作成

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