HESH ヘッシュと読むHigh Explosive Squash Headの略称 粘着榴弾 HEP High Explosive Plasticとも言う


解説                           総合索引
  APFSDSHEATの様に、装甲板の貫通を目的とするのではなく、別の方法で装甲車輌等を撃破する弾種としてHESHがある。 HESHは装甲板内部に衝撃波を発生させて内部に破片を飛び散らせ、装備・人員にダメージを与える。

 構造は厚さの薄い金属製弾体に炸薬が充填されており、後部に起爆装置が取り付けられている。弾着すると炸薬がつぶれて広がる。これを起爆すると、装甲板内部に強烈な圧縮衝撃波が発生して伝わる。
 この圧縮衝撃波は装甲板の反対側で反射して、引張衝撃波となり、装甲板内部に圧縮・引張衝撃波が反射・合成して、装甲板の強度を超えると、装甲板内部が高速ではがれ飛び散り、内部の装備・人員にダメージを与える。これをホプキンソン効果と言う。Copyright
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 HESHは口径の1.5倍程度の厚さの装甲板には有効であるが、レオパルド2やM1などに使用されている複合装甲には効果が薄い。しかし、同一口径のHEATに比べて炸薬量が多いので、装甲車輌だけでなく、鉄筋コンクリート製バンカーや建物、広範囲に散開する歩兵にも有効な多目的弾種である。ただし、構造上、砲口速度が遅く、射撃精度が劣るため、最近ではHEATが多目的弾種の主役となっており、120mm戦車砲でHESHを使用しているのはイギリスのみである。



                                         2009年11月 2日改訂


性能・諸元

ロイヤル・オードナンス社製120mm L31 HESH 弾体・装薬2分割タイプ
弾体重量:17.9kg
装薬重量:3.0kg
砲口速度:670m/s
炸薬重量:4.1kg


参考文献

戦車砲と戦車砲弾の発達 野木恵一 雑誌PANZER 95年12月号
現代戦車のテクノロジー日本兵器研究会・編 アリアドネ企画
兵器最先端4 機甲師団 読売新聞社編

M−1/M−1A1戦車大図解坂本 明 グリーンアロー出版社
AMMUNITION FOR THE LAND BATTLE  P R Courtney-Green Land Warfare: Brassey's New Battlefield Weapons Systems and Technology Series Volume 4  Brassey's
Jane's AMMUNITION HANDBOOK 1997−98Terry J Gander      Jane's Information Group
MILITARY BALLISTICS  G M Moss他 Land Warfare: Brassey's New Battlefield Weapons Systems and Technology Series into the 21st century Volume 1 Brassey's

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