HEAT ヒートと読む High
Explosive Anti Tankの頭文字を取った造語
日本語に訳せば対戦車榴弾。 Shaped
Charge 成形炸薬とも呼ぶ。
解説 総合索引
歩兵の携行するロケット・ランチャー、対戦車ミサイルの弾頭などに使用される爆薬技術。
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円筒形高性能爆薬の片側を円錐形に削り取り、金属製ライナー(主に銅など)を装着。反対側から起爆すると爆発の衝撃波により金属ライナー粒子が、秒速8000〜9000mの超高速ジェット流として放出される。
この超高速ジェット流の運動エネルギーにより、装甲板などに穴をあける。理論的にはライナー口径の、おおよそ5倍の圧延均質装甲板を貫通可能だ。この現象を発見・解析した科学者の名前から、モンロー効果またはノイマン効果と呼ぶ。
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なおHEAT弾の爆発する際には、ライナー方向だけでなく、周囲にも破片を放出する。この特性を利用して、対装甲・対人用クラスター爆弾などにも使用されている。
HEATの特徴として
- 適切なジェット流形成のため、目標との間に、ライナー直径の2−6倍程度のスタンドオフと呼ばれる距離をとる必要がある。
- 金属製ライナーの形状、材質、角度により貫徹力に差を生じる。
- 弾体の回転は、ジェット流の形成を妨げ、貫通力を低下させる。毎秒30回転の場合、貫通力はおよそ半減する。
- 装甲板の間に、空間やセラミックなど密度の異なる物質を入れた複合装甲に対しては効果は減殺される。
- ERA(爆発反応装甲)が装着されていると効果は減殺される。
使用される爆薬には爆速5000m/秒以上の高性能爆薬を必要とし、RDXとTNTの混合爆薬コンポジションBは、価格も安いため良く使用される。
2007年10月8日改訂
参考文献
エネルギー物質ハンドブック 社団法人 火薬学会/編 共立出版株式会社
火薬のはなし 久保田 波之介著 日刊工業新聞社
火薬学概論 中原正二 産業図書株式会社
EXPLOSIVES,PROPELLANTS & PYROTECHNICS A Bailey & S G Murray Land Warfare: Brassey's New Battlefield Weapons Systems and Technology Series Volume 2 Brassey's
AMMUNITION FOR THE LAND BATTLE P R Courtney-Green Land Warfare: Brassey's New Battlefield Weapons Systems and Technology Series Volume 4 Brassey's
MILITARY BALLISTICS G M Moss他 Land Warfare: Brassey's New Battlefield Weapons Systems and Technology Series into the 21st century Volume 1 Brassey's
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