BONUS(ボーナス) 対戦車砲弾の名称


解説                            総合索引
 

 対戦車子弾を内蔵する155mm砲弾。内蔵するBONUS子弾の赤外線センサーにより、自律して戦車など装甲車輌を捜索。目標を発見すると、比較的装甲の薄い車体上面に向け爆発成形弾を発射する。
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 本来、面を制圧する155mm榴弾砲は、戦車など装甲車輌への効果は限定されていた。しかし、BONUSにより、ピンポイントで装甲車輌を破壊する能力を獲得した。



 BONUSはスエーデンのボフォース社により1980年代初期に開発を始め、後にフランスのジアット社も参加、2001年から量産を開始した。

 BONUSは155mm榴弾砲から発射される砲弾で、外観上は他の砲弾と何ら変わるところはなく、コンテナーに収納された2発のBONUS子弾を内蔵する。

 BONUS子弾は、直径138mmの円柱形をしており、上部に多波長赤外線センサーとレーザー高度計を収納するセンサー部分、さらに板状翼および翼展開アームが取り付けられる。下部は爆発成形弾収納部分となっており、タンタル製ライナーと爆薬、起爆装置などを内蔵する。

  155mm榴弾砲から発射され、事前に設定された時間を経過すると、時限信管を作動、砲弾底部からコンテナーを放出する。コンテナーは翼を展開して速度と回転率を落としてから、BONUS子弾を放出する。

 
放出されたBONUS子弾は、板状の翼を展開して回りながら降下する。回転率は毎秒15回転、降下速度は毎秒45mだ。高度175mに達すると赤外線センサーを作動させて、地上を螺旋状にスキャンする。捜索範囲はおよそ半径100mとされる。
 
目標を発見すると爆発成形弾を発射する。なお、目標を発見できない場合は地上落下後、自爆する。

 BONUSの最大射程は35km(52口径砲最大装薬使用時)である。


 BONUSはスエーデン、フランス陸軍に採用されている。なおフランスではBONUS子弾3発もしくは4発を搭載する誘導砲弾PELICAN(ペリカン)も開発中だ。


                                 2002/9/14


性能・諸元

BONUS砲弾
全長:898mm
重量:44.4kg
ペイロード:BONUS子弾2発
最大射程:35km(52口径砲最大装薬使用時)

BONUS子弾
重量:6.5kg 
直径:138mm
センサー:多波長赤外線センサー+レーザー高度計
貫通力:100mm(装甲鋼板)以上


参考文献

現代戦車のテクノロジー 日本兵器研究会・編 アリアドネ企画
世界の近未来兵器カタログ 日本兵器研究会・編 アリアドネ企画
Bofors社ホームページ
GIAT社ホームページ
Jane's AMMUNITION HANDBOOK 1997−98 Terry J Gander Jane's Information Group

 Jane's INTERNATIONAL DEFENSE REVIEW 2001年1月号 Jane's Information Group
Jane's
 INTERNATIONAL DEFENSE REVIEW 2002年7月号 Jane's Information Group

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