掃海
敷設された機雷を処分し、安全な航路を切り開く作業の総称
解説 総合索引
一般に「掃海」と呼ばれるが、厳密には、機雷掃海と機雷掃討に区分され、概要は下記の通り。
機 雷 掃 海
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機 雷 掃 討
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特定の海域において、機雷の位置は不明なまま、実施される。
係維式機雷のケーブルを切断し、浮上した機雷缶を爆破処分する係維掃海や、感応式機雷を起爆させる音響、磁気などを発生する感応掃海を実施する。
確実を期すため、同じ海域を繰り返し実施する場合もある。 |
機雷掃海では対処の困難な高性能機雷を、ソナーなどを使用して探知、位置特定、識別を行い、水中処分員や、無人潜水艇等で処分する。Copyright (c)2011 Weapons School All rights
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掃海艇は、機雷を作動させる可能性のある、磁気・音響、水圧を最小限にするため、船体は、木造または強化プラスティック等で作られる。推進装置も非磁性体を使用、防音・防振対策を施し、喫水も浅い。また、対象海域を正確に掃海するため、精密な航法システムが不可欠である。
以下に機雷掃海および機雷掃討方法の一例を挙げる。
【係維掃海】
図:海上自衛隊 掃海群
【感応(磁気・音響)掃海】
図:海上自衛隊 掃海群
【機雷掃討】
図:海上自衛隊 掃海群
この他、掃海艇による掃海に先立ち、ヘリコプターに係維機雷掃海具や、音響、磁気掃海具を曳航させる掃海方法も実用化されている。これは掃海艇の乗員を機雷の危険にさらすことなく、高速で掃海作業を実施できる。
ただし、掃海艇による掃海に比べ、掃海深度は20m以内、掃海時間も限定される。掃海具の曳航にはMH−53Eなどの大型ヘリコプターを使用する。
米海軍は作戦海域を、外洋から沿岸海域にシフトしており、機雷の脅威は一段と高まっている。
これに対処するため、無人潜水艇や、中型ヘリコプターMH−60Sにより運用される、レーザーを利用した機雷探知装置ALMDS(Airborne Laser Mine Detection System:航空機搭載レーザー機雷探知システム)や、スーパーキャビテーション技術を利用した30mm機関砲弾で海中にある機雷を無力化するRAMCS(Rapid Airborne Mine Clearance System:迅速航空機搭載機雷除去システム)などの、機雷探知・掃海システムを開発中だ。
2011年7月19日作成
参考文献
海上自衛隊および掃海隊群ホームページ
海上防衛技術のすべて 防衛技術ジャーナル編集部編 (財)防衛技術協会
現代軍艦図鑑 世界の艦船1998年9月号増刊第25集 株式会社 海人社
現代の海戦 世界の艦船1982年8月号増刊 株式会社 海人社
続・戦争のテクノロジー ジェイムズ・F・ダニガン 岡芳輝訳 河出書房新社
続・艦船メカニズム図鑑 森 恒英 グランプリ出版
ペルシャ湾の軍艦旗 碇 義朗 株式会社 光人社
FUTURE MCM SYSTEMS Dr.Milan Vego NAVAL FORCES NO.IV/2005
NAVAL MINES Massimo Annati NAVAL FORCES
NO.III/2005
MINE WARFARE U.S.NAVY NWP3-15 U.S.MARINE CORPS MCWP3-3.1.2 DEPARTMENT OF THE NAVY OFFICE OF THE CHIEF OF NAVAL OPERATIONS AND HEADQUARTERS U.S.MARINE CORPS
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